PMP資格は役に立つのか、取るべき資格なのか、PMPホルダーが解説

エンジニアにとって資格は自身のスキルを対外的に示すうえで重要な要素だと思います。

ただ、資格だけ持っている人でも、実際に一緒に仕事をすると、あれっと思うこともあると思います。

ですので、私は、資格を網羅的に取得していくことを推奨はしておりません。

そのような中でも、IT系の資格の中で難関の部類に入るPMPは取得するに値する資格の1つだと思います。

そこで、PMPとはどのような資格なのでしょうか。

また、取得するための道のり、取得することのメリットなど、私がPMPを取得した時の経験を踏まえて記事にさせていただきます。

新しいことにチャレンジしようとしている方で、PMPに興味を持っている方などの参考になれば幸いです。

私は運よく業務内容がプロジェクトマネージメントを主としていることもあり、会社で取得することができましたが、自分で取得するか悩んでいるような方の役に立てばうれしいです。

PMPとはどのような資格なのか

PMPとは、アメリカのプロジェクトマネジメント協会(PMI)が主催しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格となります。

国際とありますように、日本以外でも通用する資格となります。

また、そもそもプロジェクトマネジメントについてですが、日本ではプロジェクト管理と呼ばれることもあり、プロジェクトを成功に導くための手法を体系立てて学べる資格になります。

PMPはプロジェクトを有期的なモノと位置づけ、立ち上げから実行、終結までをフェーズに分けて、各々のフェーズでのインプットとアウトプット、アウトプットのための手法などが整理されております。

資格勉強のための詳細な内容はここでは記載しませんが、以下の図のようなことを学んでいくことになります。

PMBOK知識エリア

これだけを見ると、少し嫌になりますよね(笑)

ただ安心してください、最初は戸惑うかも知れませんが、上の図を意識し、各エリア間の繋がりを意識しながら着実に勉強していくことで理解はできるようになってくると思います。

PMP資格取得までの道のり

受験のための準備のハードルは高い

PMPは試験を受験するための条件のハードルが高く、以下2つの条件を満たす必要があります。

  1. プロジェクトマネジメントの指揮・監督する立場での経験
    (ア) 高校卒業またはそれに相当する資格をお持ちの方は、60ヶ月間のプロジェクトマネジメント経験を含む、プロジェクト業務を指揮・監督する立場での7500時間の実務経験が必要です。
    (イ) 大学卒業またはそれに相当する資格をお持ちの方は、36ヶ月間のプロジェクトマネジメント経験を含む、プロジェクト業務を指揮・監督する立場での4500時間の実務経験が必要です。
    (ウ) ※試験の際は、これらのプロジェクトマネジメント経験証明の提出が必要です。
  2. 35時間の公式なプロジェクトマネジメントの研修の受講

2は、認定機関でのトレーニングを受講する必要があります。

1は、職務経歴書のようなものを英語で作成して、PMIに送付し承認をもらう必要があります。

この時に、ランダムに(?)出した職務経歴書が正しいかどうかの確認がPMIから入る場合があります。

私は、この対象にならなかったのですが、部下が対象になったことがありました。

チェック対象になってしまった場合は、その職務経歴書に記載されているプロジェクト時の上司に保証みたいな意味で署名だったかをしてもらう必要があります。

ここが、転職などをしていると、前職の上司にお願いする必要が出てくるので、少し面倒な部分になります。

このような時に前職の上司にお願いをすることができる関係を維持している、やっぱり円満退社が大事ということなのでしょうか。

少し話がそれてしまいましたが、これらが揃い受験となっても、1発合格は難しい試験ですので2-3度の受験を覚悟して計画を立てることをお勧めします。

受験までのコストは高い

先の項目に記載しましたが、35時間の研修が必要になります。

最近のコロナの状況においても、コスト的にも、集合研修よりもオンラインで受講できるEラーニングがおすすめです。

ただ、Eラーニングだったとしても、研修だけで数万~十数万円はかかってしまいます。

※認定機関が厳しくなっている可能性があるため、最新の情報は公式サイトから入手してください。集合研修が必須となると、30万円を超える研修費が必要になってくると思います。

上記に加えて、トレーニングだけで合格するのは難しいと感じておりますので、自分にあった問題集などの購入も必要になってくると思います。

PMP資格は有益な資格なのか

答えはYesだと思います。

理由は、

・仕事をするということは、すべてプロジェクトを実行すると言えます。

・やりたいことがあり(立ち上げ)

・やるための方法があり(計画)

・実施し(実行)

・アウトプットする(監視・コントロール、終結)

これらを成功に導くための管理手法を学ぶことがPMPの本質であるため、すべての仕事において有益な知識体系を学習することができると言えます。

プロジェクトは大小を定義しているものではなく、有期性(始まりがあり終わりがある)が重要となり、どのような業務も広くいってしまうとプロジェクトになります。

よって、PMPの考え方を身につけているかいなかで、業務の進め方が格段に異なってくると思います。

また、エンジニアにとっては、受験のための道のり・コストなどハードルが高いことは、逆に言えば競合が少ない環境が作られていると言えます。

持っているだけで効力を発揮するような資格は数少ないと思いますが、PMPは数少ない資格の中の1つだと思います。

私も最初に取得してから10年以上経過しますが、更新のコストをかけてでも継続して更新している資格はPMPのみとなります。

それくらい有益な資格だとは思います。

まとめ

個人的には、資格を持っているかどうかより、その知識を持っているか、その業務経験があるかということの方が重要だとは思っております。

ただ、知識や経験を文字で表現することは難しく、新たな人とのコミュニケーションにおいて、資格は1つの指標になると思っております。

中でもPMPは、取得までのハードルが高いため、とりあえず取得したという人が少なく、PMPで整理されている重要な要素を理解している証明となることがメリットと感じます。

また、プロジェクトを進めていく上で、同じPMPホルダーであれば、会話するための言語が合い、話がスムーズに進むというメリットもあります。

そのため、社会人5年目~10年目くらいで、何かしら次のステップに進みたいと考えている方であれば、PMP取得を、次のステップの候補の1つとして考えてみるのも良いと思います。

取得するためのコストが安くないPMPですので、なかなか一歩踏み出せない人もいるかも知れませんが、本記事を読んで疑問や不明点などが少しでもクリアになっていればうれしいです。

参考記事:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA