ローカル5Gの概要と実現するために必要になることを整理

先日、5Gについての記事を掲載させていただきました。

5Gと言われても、基本的には大手通信事業者が提供するものであるため、一般消費者だけでなく、SIerやそこで働くエンジニアからすると、少し遠い存在かも知れません。

その中で、特定の場所で5Gサービスを提供できるローカル5G、こちらは法改正もあり、だいぶ身近なものになっているかと思います。

そこで、ローカル5Gの概要・ローカル5Gを提供するために必要になることを理解しておくことが、今後のエンジニアにとって有益なものだと感じますので、記事として整理したいと思います。

ローカル5Gの概要

5Gの概要で記載させていただきましたが、5Gで利用されている周波数帯が、高周波であることから、直進性が高く(逆に言うと建物などの障害物に弱い)、減衰が大きいため、広くあまねくサービスを提供するためには、4G以上のアンテナが必要になります。

そこで、特定の場所で利用可能なように周波数を割り当て、5Gのメリットである大容量・超低遅延・多数同時接続を提供可能にしようとしたものがローカル5Gになります。

ローカル5Gは総務省も利用の促進をしており、法整備なども着々と進められております。

  • ローカル5Gは、地域や産業の個別ニーズに応じて地域の企業や自治体等の様々な主体が、自らの建物内や敷地内でスポット的に柔軟に構築可能な5Gシステム。一部周波数帯(28.2-28.3GHz帯)で先行して2019年12月に制度化。
  • 多様化する通信ニーズに対応するため、ローカル5Gの周波数拡張に向けた検討を情報通信審議会において行い、7月に答申。8月25日から省令改正案の意見募集を開始。 年内に制度整備予定。 (2020年10月 総務省「5G・ローカル5Gの普及・高度化に向けた取り組み」より)

5Gで実現できる世界、非常に夢のある世界だと思いますし、少しでも早く実現していきたいと考える方も多いと思います。その世界を、自分たちの手で実現できると考えるとワクワクすると思います。

もちろん、5Gやローカル5Gはインフラでしかないため、その上でどのようなサービスを提供するのか、提供できるのかが重要になるのですが、このインフラがなければ実現できないということも事実だと思います。

私はエンジニアとして、これまで移動通信システムは大手キャリアのもの、という思いもあったため、自身で近しいサービスを使う可能性がある、ということに期待しております。

これまでもMVNO/MVNEといった形態もありましたが、さらに一歩先を行ける気がしております。

ローカル5Gの先にある世界、これまでとは比較にならないほど大量なデータを活用し、生活を豊かにするビジネスを実施していきたいと感じます。

ローカル5Gを実現するために必要なこと

ローカル5G、夢のような世界かも知れませんが、やはり、これまでのLANやWANとは一味違ったものがあります。

一番はやはり、これまでは大手通信事業者が提供していた携帯網を、規模は小さいとは言え、SIerなどが提供するためのハードルがあります。

大きなハードルの1つ目は、テクノロジーが異なることです。

一般的なネットワーク・エンジニアと呼ばれる人は、LAN(Local Area Network)に関してはスペシャリストだと思いますが、RAN(Radio Area Network)のテクノロジーが特殊であります。無線LANとも異なり、勉強が必要な領域だと思います。

もう1つのハードルは、異なる技術を利用すること、公共の電波を利用することから、資格も必要になることです。

LANのエンジニアであれば、いろいろな資格を持っている方も多いと思いますが、ローカル5Gを提供するためには、第三級陸上特殊無線技士など、これまでと少し異なった資格が必要になったりします。

ただ、国家資格も多く試験実施回数が少ないという難点がありますが、公共の電波を使うための法律など基礎的な学習範囲になりますので、興味がある方は挑戦してみることをお勧めします。

まとめ

5G/ローカル5Gのメリットは分かるが、そのメリットを活用して、どのようなサービスを提供していくことができるのか、まだまだ考えないといけないことは多くあると思います。

通信速度が速くなるだけなら、事業者が提供する意味はあまりないと思います。

事業者が提供するうえで、自社のサービスと組み合わせたり、全く新しいサービスを作り上げたり、といったことが重要になると思いますし、そのための基盤・インフラとなるローカル5Gに対する知識は、今後重要になると思います。

エンジニアとして成長し続けたいと考えたときに、プログラミングも重要ですが、ローカル5Gのような世界を変える可能性のある仕組みも重要になってくると考えております。

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