マイクロマネジメントでは部下は育たない。勇気をもって任せてみよう

マイクロマネジメントと聞くと、上司となって、部下がいる方にとって耳の痛い話かもしれません。

マイクロマネジメントは良くないということを頭では理解している方が多いとは思いますが、気づかないうちに、あれもこれも気になりどうしてもマイクロマネジメントをしてしまっている、ということもあるのではないでしょうか。

今回、マイクロマネジメントをすることで部下にどのような弊害があるのか、そこから脱却するためには、どのように自分の意識・行動を変えていけば良いのかを説明させていただきます。

これから部下を持つかも知れず上司になったときにどう行動すれば良いか悩んでいるような方や、

すでに部下を持っている方でも、なかなか部下が育たないと感じている方にとって、マイクロマネジメントに陥らない術を見つけ、チームが成長していけるようなお手伝いになれば幸いです。

マイクロマネジメントとは

ご存じの方も多いとは思いますが、マイクロマネジメントを簡単に説明すると、

マイクロマネジメントとは、上司が部下の業務や行動を細かく管理・チェックし、強い権限のもと干渉をしてしまうマネジメント手法

のことになります。

部下の行動を細かく見ている、と言えば聞こえは良いかもしれませんが、一般的には悪い意味で使われます。

ここでも、悪い意味でのマイクロマネジメントという前提で記載いたします。

マイクロマネジメントがまねく弊害

部下がやる気をなくす

マイクロマネジメントをしている上司は、部下の行動に細かく指示を出したり、事細かに報告を求めたりします。

それはつまり、上司が自分で仕事をしていることと変わりがなくなってしまいます。

そのため、部下からすると自分で仕事をしているようには感じず、仕事の達成感を感じることはできず、やる気・モチベーションは低下してしまいます。

考えてみてください、何も判断することもなく、言われたことだけをやる仕事が楽しいと感じることができるでしょうか。

部下が指示待ちになる

マイクロマネジメントで部下の行動に細かく指示していると、いずれ部下は考えることをやめてしまいます。

自分で考えなくても、次にやることを指示されるのですから、そうなってしまうのも仕方ないと思います。

その状態が続くと、部下は指示を受けるまで何も手を動かすことがなくなり、すべてにおいて上司の指示を待つような状態になってしまいます。

組織を構成している理由は、一人の力ではできないことを、チームとして取り組むことで成果を2倍にも3倍にもするためになります。

それなのに、上司の指示だけで動いているようでは、上司が一人で仕事をしていることと変わりが無くなってしまいます。

結果、部下が育たない

マイクロマネジメントを続けていると、部下のやる気がなくなり、部下が指示待ちになってしまう、それはつまり部下がいつまでたっても成長しない、ということになります。

上司としては、部下が成長し、チームや組織の底力が上がっていくことで、自身の評価も上がっていくはずですが、部下が育たなければその期待はかないません。

部下が育たない原因は様々ですので、マイクロマネジメントだけが理由というわけではないかもしれませんし、自分はマイクロマネジメントをしている訳ではないと思いたい人も多いと思います。

それでも、自分の言動を、きちんと、客観的に理解し、自身がマイクロマネジメントをしていないかどうか、常に意識しておくことが大事だと思います。

マイクロマネジメントからの脱却

求める報告の頻度を減らす

マイクロマネジメントの典型として、毎日のように報告を求めることがあります。

これは、部下からの報告タイミングを細かく指定する、というだけではありません。

オフィスで業務の進捗を聞く、ということも同じ行為だと言えます。

中には、コミュニケーションのつもりで話しかけているかも知れませんが、割り当てた業務の進捗を聞くような会話は注意が必要です。

普段のコミュニケーション、進捗ヒアリングになっていませんでしょうか?

上司も成長する必要があります。

そのために、これまで毎日の報告を求めていた方は、数日や1週間あけてみる、といったように、少しずつでも間隔を長くしていく必要があります。

極端に言えば、締め切りを伝えて業務を割り当てたのであれば、締め切りまでぐっと我慢することも大事なことだと思います。

勇気をもって任せる

部下は、あなたの手足ではありません。一緒に組織やチームの成果を出していく仲間です。

当たり前ですが、部下にも考える頭はあり、自分なりの考えもあります。

その人に仕事をアサインしたのであれば、その仕事は部下に任せたことになります。

任せたのであれば、部下のやり方で業務を進める権利がありますので、勇気をもって任せましょう。

任せきれないのは、部下のやり方や考え方を理解できていないため不安になるのだと思います。

ですので、上司としては、部下のやり方や考え方を把握するということが大事な仕事になります。

それを把握できれば、Aさんには毎週の報告を求める、Bさんはまだ経験が浅いので週の真ん中でもヒアリングをするといったように、メンバーに合わせて適切なタイミングでの報告を指示することもできるようになると思います。

総じて部下を信頼する

報告の頻度を減らす、任せる、それぞれに細かい意識改革ややり方はありますが、総じて言ってしまうと、部下を信頼することが重要になるのだと思います。

部下に限らず、相手を信頼するということは頭では理解していても、実際に信頼するのは非常に難しいとは思います。

責任を取ることが上司の仕事でもあり、部下の失敗が怖い気持ちも良く分かりますが、部下を信頼する努力をしてみましょう。

いきなり全員を信頼するというのが難しければ、まずは一番優秀だと感じている部下から始めてみるのも良いかと思います。

ひとつ任せるポイントができれば、それを徐々に広げてみてください。

まとめ

マイクロマネジメントをしたいと思ってやっている上司は少ないと思いますが、気づかないうちにマイクロマネジメントをしてしまっている上司は多いと思います。

私も、初めて部下をもったときを振り返れば、マイクロマネジメントだったかな、という思いがあります。

マイクロマネジメントの良い面はほとんどないことは確実ですので、気づいたタイミングから少しずつでも自身の行動を変える努力をしていくことが大事なのだと思います。

マイクロマネジメントをやめることで、自分で考えることのできる部下が育ち、チームの雰囲気が良くなり、チームの評価が上がる、結果として上司である自身の評価も上がる

ということをイメージして自身の行動を振り返ってみてください。

マイクロマネジメントの悪い点を理解し、より良くするために自身の行動が変わり、良いチームが出来上がっていく手助けになれば幸いです。

参考記事:

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