エンジニアとして働いている方の中では、コミュニケーション能力なんて無くても、自分には技術力があるから大丈夫、と思っている方も多いのではないでしょうか。
そのため、エンジニアとしてのコミュニケーションにあまり向き合わず、気づけば人とのコミュニケーションが苦手となってしまっている方もいると思います。
ただし、
エンジニアとして実際に働いている中ではコミュニケーションが必要になる機会も多く、克服したいけど、どういったことが対策になるのか分からない
そういった方も多いと思いますので、少しでも解決の糸口を見つけることができればと思います。
この記事を書こうと思ったきっかけとしては、やはりコロナの影響でコミュニケーションの機会が減り、よりコミュニケーションが大事だなと感じるようになったことが大きいですが、そういった悩みをお持ちの皆さまのお役に立てばうれしいです。
もくじ
エンジニアにコミュニケーション能力が必要だと思う理由
エンジニアの仕事の成果として一番といっても良いほど大切なことは、ユーザーが本当に求めているものを成果としてお出しできるかにかかっていると思います。
ここで、
「ユーザが本当に求めているもの」
という部分が重要です。
作業開始時にユーザーといろいろ会話し、
ユーザが本当に求めているものを整理したつもりになったり
ユーザー自身も求めるものを説明しているつもりではいるのですが、順不同であったり、一部欠け落ちていたり
そのようなことは良くあります。
そういった部分を曖昧なまま進めてしまうと、最終的に出来上がったものが、ユーザーの求めるものとは異なるといったことが起こってしまいます。
そのため、ユーザーの真意を引き出し、整理していくためには、コミュニケーション能力は非常に重要な要素となってきます。
エンジニアにコミュニケーション能力が必要だと実感した具体例
私も新人のころは、自分のスキルを向上させることが第一で、コミュニケーションも苦手ではありましたが、あまり気にしていませんでしたた。
ですが、とある案件でコミュニケーションが重要であることを痛感させられることになりました。
それは、順調に進んでいるようにみえた案件でした。
自分では、足りないスキルは補いつつ、ユーザーのやりたい事を実現するためにプロジェクトを進めているつもりでしたが、そのプロジェクトも終盤に差し掛かり、試験を実施しているころから「あれ、何かおかしい」と感じるようになりました。
私は、Aを達成できれば良いと思い、プロジェクトを進めていましたが、ユーザーは、○○のときはAだけど、■■のときはBという希望があったとの事です。
私は
「最初からきちんと説明しておいてくれれば」
と心の中では思っておりましたが、それほど大きな手戻りでもなかったため、言われたことには対応して次へと進めておりました。
しかし、そういったことが1つあると、また1つ、さらに1つと雪だるま式に増えていき、最終的には、設計業務からやり直す必要性がでてしまい、スケジュールや要員計画に大幅な変更を余儀なくされてしまいました。
それにより、周りのメンバーがヘルプしてくれ、そのこと自体はうれしいと思えることでもあるのですが、半面、申し訳ない気持ちでいっぱいになった経験があります。
コミュニケーションが苦手な場合はどうする?苦手対策と克服法を伝授!
さて、ではコミュニケーションが苦手と思っている方は、もう諦めるしかないのでしょうか。
そんなことはありません。
私も失敗を繰り返してきましたが、今ではある程度ユーザーの本当の思いを引き出すコミュニケーション能力がついてきていると思っております。
もちろん、人によってすべてが同じということはありませんので、今でもコミュニケーションの重要性を意識しながら取り組んでおります。
私が意識していることとしては、主に2つです。
・相手の話を聴く
・ちょっとした雑談を心がける
これらを具体的に見ていきましょう。
相手の話を聴く
まずは、“相手の話を聴く”についてです。「そんな事やっているよ」と思った方も多いと思います。
ただ、これは出来ているようで、やはり出来ていない人って多いと思います。
文字で書くと、いわゆる『傾聴』ということになるのですが、
本当に相手の話を最後まで聞いていますか?
相手の話をさえぎって話し出すといったことはありませんか?
出来ていない部分があるかも、と思い当たる方も多いのではないでしょうか。
特に、最近ではオンライン・ミーティングなども増えていると思います。
オンラインの場合、相手の声が届くまでにどうしても時差があるため、特に顕著に現れると思います。
これは、自分が話したいという欲求や、自信がないときに分かる部分で返答をしたいという欲求でそうさせることが多いと思います。
とにかく一呼吸おいてみてください。
相手の話が途切れても、それは次に言いたいことを考えている、という場合も良くあります。
自分が話し出す前に一呼吸置く、この意識はすごく大事だと思います。
私は、オンライン・ミーティングを録画して、相手と会話が重なることが無かったかなど、定期的に確認するようにしております。もちろん、相手が録画を同意してくれた場合のみですが。
ちょっとした雑談を心がける
次に、ちょっとした雑談についてです。
こちらは簡単には向上させることが難しいですが、日々のちょっとした意識・行動を心がけることで、着実に改善していくと思います。
雑談するためには、いかに色々な分野に対して情報をもっているか、にかかってきます。
では、たくさん本や新聞を読もう、と思うかも知れませんし、それができる方はもちろん実施いただければ良いと思います。
しかし、私はそこまで多くの本を読むといったことができず、別の方法で少しずつ情報・知識を身に着けることを心がけております。
それは、会社の行き帰りの電車の中などで、
自分が知らないことなど、3つ何かを探して、その1つ1つに対して、さらに3つ質問を考える
ということになります。
具体的には、電車の中刷り広告で「○○が優勝」という見出しを見つけたとします。
「○○って何年振りの優勝なんだろう? ○○と××が優勝を争っていたと思ったけど××はどうなんだろう? ○○で一番活躍した人は誰だろう?」という感じです。これを行きに3つ、帰りに3つやるだけです。
毎日続けることで徐々に会話のネタが増えていくことを実感できると思います。
そうすれば、相手がどのような雑談をしかけてきても恐れることはなく、また相槌を打つだけでなく、きちんと相手と会話することができると思います。
その延長線上には、相手と自分の間に信頼感が生まれ、相手の本当の思いを自然と語ってくれるようになると思います。
まとめ
今回、
エンジニアにもコミュニケーションは必要であること
コミュニケーションが苦手と感じている方でもちゃんと対策をとれば恐れることはないこと
私の実体験も交えながらお伝えさせていただきました。
エンジニアは、担当の技術・スキルを身につけることに手一杯になってしまう場合もあるかとは思います。
それだけではなく、日々の心がけや、電車の行き帰りでできるちょっとしたことで、徐々に、でも確実にコミュニケーション能力の向上が実感できると思います。
そのコミュニケーション能力が向上することで、日々の仕事がよりやりやすくなることに実感する日がいつか必ず来ますので、気負いすぎず日々実践してみて頂ければと思います。
参考記事: