出世の階段パート2ということで、このテーマでいきたいと思います。
昔から出世してもしんどいだけなので、出世したくない、と考えている方はいると思いますが、最近特に増えてきているようにも感じます。
何が出世したくないと思わせるのでしょうか。
といいつつ、私も昔はあまり出世したいとは考えておりませんでした。
ただ、たまたまタイミングよく出世させていただき、いまは部下を持ちながら働いております。
そういった経験をもとに、
- なぜ出世したくないと考える人が多いのか
- 出世すると何がしんどいのか
- 出世したらどのようにすれば良いのか
について記事を書こうと思います。
出世が近づいていて嬉しい気持ちと不安な気持ちが入り混じっている人、出世したばかりで悩んでいる人に役に立てばうれしいです。
もくじ
なぜ出世したくないのか
そもそも、なぜ人は出世したくないと考えるのでしょうか。
私も出世したくないと思っていた一人ですので、当時の思いとしては以下のようなことがありました。
- 現場から離れてしまう。もっとエンジニアとして力をつけていきたい
- コンプライアンスが騒がれる昨今で、出世すれば気を付けなければならないことが増える
- 残業代がつかなくなる
ほかにも様々な理由があるかと思いますが、この3点について1つずつ見ていきたいと思います。
1. 現場から離れてしまう。もっとエンジニアとして力をつけていきたい
私にとって、出世したくないと考えた1番の理由でした。
やはり部下を持つことで、会社から求められることも変わってきます。
自身の能力だけではなく、組織としてのアウトプットを求められるようになってきます。
その分、いわゆる管理業務と呼ばれるものが増えてしまったり、部下に仕事を任せる必要が出てきたりするため、現場で業務をすることで自身のスキルアップに割ける時間は相対的に減ってしまいます。
特に、年齢がまだ若い人が考える理由の1番はこれではないでしょうか。
2.コンプライアンスが騒がれる昨今で、出世すれば気を付けなければならないことが増える
エンジニアにとってやりたいことは、自分のスキルを使って成功をつかみたい、新しい技術を仕入れてスキルアップしている実感をしたいということがあると思います。
しかし、出世し部下を持つことでハラスメントなど、これまでより気を付けなければならないことが増えてきます。
平社員だからハラスメントは意識しなくて良い、ということではないですが、出世の階段を1つ上がるごとに、意識しなければならないことは増えていくことだと思います。
3.残業代がつかなくなる
人によっては切実な問題になる可能性もあります。
良く言われることとして、管理職になる直前で残業代をもらっている方が年収は高い場合があります。
特に仕事が忙しく、残業が多い人にとってはまさにそうなりますよね。
きれいごとに聞こえるかも知れませんが、私はそこまで残業代のことを考えていたわけではありませんでした。
それでも、いざ給与明細を見ると、「少ない!?」とはなった記憶があります。
出世すると何がしんどいのか
基本的には、先に挙げた出世したくないと思う理由が、そのままつらさに通じているようには感じます。
昨今では、プレイングマネージャーも珍しくはないですが、やはり出世する前とは異なる業務が増えてくると思います。
特に、出世した直後は、そのギャップに常に悩まされることになるとは思います。
部下に仕事を任せる、つまりは自分で手を動かさない、動かしてはいけないということになります。
出世した方は、やはり実績を出してきた方だと思いますので、「自分だったらこうするのに」とか「自分だったらこのくらいの期間で終わらせることができるのに」と感じしてしまうこともあると思います。
コンプライアンス関連を意識した管理業務が増えることや、残業代がなくなるといったものは分かりやすいですが、この、仕事を人に任せるということにおけるジレンマの部分が外からは見えづらいですが、一番しんどい部分だと私は感じます。
出世したらどうすれば良いのか
前項で記載しましたが、人に仕事を任せるという部分が私は一番苦しみました。
もちろん、口では部下に仕事を任せると言っておりましたが、すべての仕事の進捗を把握していないと不安になる、不安になるので部下に細かい報告を求めるという感じでした。
そのため自分の仕事も重なり残業もかなり多かったですし、細かい報告を求めるような、いわゆるマイクロマネジメントな一番いやな上司だったと反省しております。
幸いにも、私は仲間とお酒を飲むことも好きでしたし、付き合ってくれる先輩上司もおり、お酒を飲みながら愚痴を吐き、相談することができましたので、なんとかやってこられました。
それがなかったらと考えるとゾッとします。
では、どうすれば良いの?という声が聞こえてきそうですが、正直まだ私もこれが正解と思えることは見つかっておりません。
それでも心がけていること、実施していることとしては以下のようなものがあります。
- 時間をかけることになってしまいますが、部下がお客様とやり取りしているメールなどもきちんと読む
- 部下の成果が期待に届かなかったとして、自分が自分の上司に怒られるくらい。自分が残してきた実績があれば大事にはならないと考える
前者は、はじめ時間がかかるのですが、慣れてくるとメールのタイトルや出だし、メールを出しているタイミングなどを見るだけで、危険フラグが立つようになってきます。
「あれ、これは部下が悩みながらメールをだしているな、少し声をかけてみよう」という感じになります。
1-2年はかかってしまうかも知れませんが、最初きちんとメールを読むようにしていればできるようになってくると思います。
出世するとメールも増えます、でもそれを理由にして、部下の仕事を見ることを放棄していたら、いずれ何倍にもなって返ってくると思います。
後者は、半分諦めという感じではありますが、これくらい振り切るのも良いと思っております。
出世すれば組織の責任が自分に降りかかる、これは仕方ないですし、その分給料をもらっているということになります。
よくあるのは部下の報告のタイミングが遅くてトラブルになってしまうようなケースです。
出世して上司になっても、さらに上の上司はいるわけで、怒られるかも知れません。
でも、1度や2度の失敗は誰にでもありますし、出世できている人なので、それだけで評価が下がるような人物ではないはずです。
もちろん部下の報告タイミングが遅いという理由での失敗であれば、そこを改善するために、部下と一緒に考えていく必要はあります。
部下と一緒に考えるのです、部下を怒るのではないです。
部下にもう少し違うやり方をしてほしいと思うこと、自分がもう少し改善できること、これを一緒に話し合って改善していければ良いと思います。
確かに、自分が上司で相手は部下、会社の中の序列という意味では自分が上ということが言えるかも知れませんが、人としては同じ人です。
どちらにも失敗はありますので、それを一緒に解決していき、できたときには一緒に喜べる環境を作りましょう。
そうすることで、部下と一緒に仕事できている感じになって、自然と任せることもできるようになってきますし、良いタイミングでの報告を受けることができるようになってくると思います。
まとめ
最後は精神論みたいになってしまい、具体的な策を提示できたか不安ではあります。
それでも、上司と部下である前に、人と人ですので、お互いが気持ちよく仕事をできる環境、その環境を構築することが、自身の上司としての悩みも解消してくれると思っています。
私も、出世したタイミング、部署が変わったタイミング、毎度のように同じ悩みにぶつかっています。
それでもこれまで仕事をできているのは、この記事に書いたことを実践しているからだと思います。
状況に応じてカスタマイズする必要はあるかもしれませんが、今回の記事がみなさまの悩みの解消に少しでも役立ったとなれば嬉しく思います。
参考記事: