Slackの調査結果からみるフラットな組織のメリット・デメリット

会社のコミュニケーションツールとして、最近ではメールからの置き換えを目的としてSlackやTeamsなどを使われている企業も多いのではないでしょうか。

本日はそのSlackが

「古い企業文化からの解放」

として、ユーザ事例などを公開しながらフラットな組織についての調査をしておりましたので、その記事を読んで感じたことをまとめてみたいと思います。

これまでの縦割りの組織には悪い印象を持っており、フラットな組織に期待する気持ちもありますが、メリットとデメリットを正しく理解して、自分が所属する組織はどうすれば良いのかを考えていきましょう。

そもそもSlackとは?

Slackは簡単に言ってしまうと、社員同士、もしくは社外も含めた人たちとのコミュニケーションツールになります。

コミュニケーションツールというと、チャットなどをイメージしてしまう人もいると思いますので、コラボレーションツールといった方が正確かもしれません。

これまで、社内の人やお客様とのやり取りは、電話や電子メールが主であったと思います。

そのような中で、電子メールが1日に何百通もくるため、すべてを見切れない、といった悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。

また、電子メールは、リアルタイム性にかけるため、電話を併用するといったことが普通であったと思います。

そのような中で、最近ではSlackに代表されるコラボレーションツールが流行っていると言えます。

これらのコラボレーションツールには、リアルタイム性のあるコミュニケーション、様々なシステムなどと連携することで、Slackだけをインターフェースとして、その他のことも行えるようにすることで、業務の効率化を図るといった効果もあります。

細かいSlackの使い方は、様々な方が記事にされているかと思いますので、ここでは詳しく書きませんが、

・予定表やWeb会議システムと連携することで、Slackから予定を管理し、必要に応じてWeb会議を開始する
・アンケート機能などと連携して、いちいちメールでアンケートを取り、それをエクセルで集計するといった手間が省ける
・機器のメンテナンスをSlackから実施できるようにすることで、運用者はSlackだけを操作すれば良い

といったようなことができるようになり、これがコミュニケーションツールではなく、コラボレーションツールと呼ばれる所以となります。

Slackを利用したフラットな組織のメリット

このようにSlackを活用することで、様々な業務の効率化が見込めるのですが、今回のSlackの記事では、そのような便利な使い方、というよりは、Slackを基盤として用いることで、フラットな組織を作り、成功しているユーザ事例という感じで公開されております。

そこで、フラットな組織のメリットについて考えてみたいと思います。

昨今の時代に合わせて事業推進のスピードがアップする

これまで、課長がいて、部長がいて、専務がいて、役員がいて、社長がいるといった階層型の組織が普通だったと思いますし、いまもそのような企業が多いと思います。私の企業も同様です。

このような組織の場合、社長が会社の方針を決め、階層を順番に下ることでその方針を全社員に浸透させていくことになるのですが、そのために複数のステップを挟むことになりますので、どうしても時間がかかってしまいます。

逆もしかりで、社員が良いアイデアを思い付いたとしても、そのアイデアを実現させるために、直属の上司である課長に説明して同意をもらい、その上の部長に説明して同意をもらい、というステップを踏むことになります。

それに対して、フラットな組織であれば、誰かの発言が、そのままダイレクトに経営陣にも届くといった形を実現可能なため、事業の意思決定が早まる効果を期待できます。

管理統制型から解放されることで自立分権型組織になる

階層型の組織の場合、課長は部下を、部長は課長を、というように、上位の役職者が下位の社員を管理することになるのですが、その管理手法等がバラバラであるような場合、組織全体としてみるとちぐはぐになってしまう可能性があります。

また、社員は管理されている、指示されたことをするという気持ちを少なからず持つことになりますので、会社全体の方針は上の人たちが決める事、という、どこか他人任せな状態になってしまう危険があります。

それに比べてフラットな組織では、一社員も必要な裁量権を持つことになりますので、自身がもつ裁量権をどのように使うのが会社のためになるのか、といったことを自然と考えるようになります。

それが、社員一人一人が自立する、自立分権型の組織になると言えると思います。

フラットな組織のデメリット

Slackの公開情報の中にも記載があるのですが、

従業員の75.3%がフラットな組織になることに期待する

という調査結果があります。

これまでフラットな組織のメリットを見てきて、従業員もフラットな組織を望んでいるとなれば、もうフラットな組織にするしかない、と思えてくるかも知れません。

でも少し待ってください。

単純にフラットな組織にすればすべて解決する、というわけではないと私は思います。

会社という組織に所属する以上、その会社の大きな方針のもと、社員はより良い方法を模索していくべきであり、誰でも勝手になんでもやってよいということではありません。

階層型の組織の場合、情報が落ちてこないからできない、というようなをことを言う人がいますが、本当に情報が落ちてこないことだけが理由なのでしょうか。

確かに、階層型である以上、どうしてもすべての情報が全社員全員に行き渡らないこともあると思います。

また、情報が伝言ゲームになってしまうため、伝言されていく中でニュアンスが変わってしまうということもあるかも知れません。

だからといって、とりあえず組織をフラットに、情報をすべてオープンに、ということをやってしまうと、社員が悪い方向に誤解してしまうことや、その企業としてのブランディングも壊れていってしまう可能性があると思います。

さらには、先日の記事でも書きましたが、社員一人一人が自律するためには、それに合わせたジョブの定義や評価方法といったことも合わせて変えていく必要があると思います。

ここを飛び越えてフラットな組織ということだけを取り入れてしまうと、組織は成り立たないとさえ思います。

まとめ

私も好きで使っているSlackが公開している資料からの考察を書いてみました。

確かに、これまではSlackのようなコラボレーションツールが無かったこともあり、フラットな組織というモノ自体、ある程度の規模の会社になってしまうと不可能だったと思います。

そこに、Slackのようなツールが登場して、これまでの組織の在り方だけでなく、フラットな組織を実現するための基盤も出来上がりつつあると感じております。

そのため私も、どのような形が日本では、もっといえば自社では適した組織形態なのか、ということを常に意識しております。

その考えの中で、Slackをフラットな組織としてのツールとして使うだけでなく、フラットな組織を実現するための会社の風土や雰囲気を変えるためのツールとして使っていく必要がある、というのが今のところの私の結論になります。

階層を意識しないオープンな発言ができる場や、発言した人を階層に関係なく称賛する文化、このようなものが大事になってくると思います。

なかなか、ツールを使ったから実現できるというものではありませんが、小さい変化からコツコツとやっていくしかないのだろう、と感じながら日々の業務に取り組んでいければと思います。

いまの会社の組織で階層が強くて身動きがとりづらい、と感じている方などにとって有益な情報になれば幸いです。

参考記事:

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