本日はこの本、『管理職はいらない』になります。
タイトルをみてドキっとする方も多いと思いますが、この本はサブタイトルにありますように「AI時代のシン・キャリア」として、これからAIが台頭してくる時代の中で、管理職として必要となるスキルを考えさせる本になっております。
様々な時代の変化の中で、働き方が変わってきているように、管理職の在り方も変わっていくと思います。
その変化に追従していく管理職になるために、私たちは何をしなければならないのか、考えていきたいと思います。
もくじ
はじめに:管理職がいらない、となる背景
様々な意見はあると思いますが、昨今急激にテレワークが浸透していることは事実だと思います。
このテレワークの浸透については、働き方が多様化して、これまで特殊な事情で働けなかった人も働けるようになるなど、良い面が多くあると思います。
ただ、やはり働き方が変わることによって、その他にも大きな変化が生まれてくるのが現実です。
本書では、
- テレワークの普及
- ジョブ型雇用への移行
- 組織のフラット化
の順番で変化が起こると記載されています。
中でも、ジョブ型雇用への移行、組織のフラット化の段階では、ジョブディスクリプションが整備され、経過より結果・成果が重要になってきます。
また、ジョブディスクリプションが整備されることで、これまで人が実施していた仕事も、どんどんAIに代替されていく可能性が高くなります。
このような背景の中で、いま管理職である我々や、これから管理職になろうとしている人にとって、今後必要となるマネジメント・スキルとは何なのでしょうか。
AI時代の管理職
AI時代には部下は人間だけではない。
AI時代における部下には、人間とAIが存在することになります。
また、人間の中にも、
AIを子供のころから学習し、AIがあることが当たり前で、自然と使いこなせる人間、AIネイティブな人間と、
現在働いている方のようにAIを使ってこなかった人間、非AIネイティブな人間
が存在することになります。
この3者(AIを擬人化します)を、それぞれの能力や特長を見極めて、マネジメントしていくスキルが、今後の管理職に求められるスキルとなっていきます。
AI時代の管理職に求められる能力とは?
AI時代の管理職に求められる能力、スタイルとはどのようなものになっていくのでしょうか。
本書では以下の3ステップでまとめられています。
1. 統率・管理型
2. フォロワーシップ型
3. フォロワーシップ+AIとの共働型
1の統率・管理型は、これまでのピラミッド型の組織において、上司が部下に指示をだし、部下はそれに従うやり方です。
このやり方の悪い例がマイクロマネジメントなどだと言えます。
2のフォロワーシップ型は、AI時代になると管理職である自分よりAIスキルを持った部下が存在するケースも発生します。
そのような時に、統率をしようとしてもスキルでかなわない状況も出てしまいます。
もちろん自身で部下に負けないスキルを身につけることも1つの方法だとは思います。
一方で、そのような部下の自主性・主体性を育みながら、見守るようなマネジメント・スタイルも1つの方法だと言えます。
最後、3のフォロワーシップ+AIとの共働型については、部下には人間(AIネイティブと非AIネイティブ)とAIがいるようになることは前述しました。
その状況において、
AIにはAIの、
AIネイティブにはAIネイティブの、
非AIネイティブには非AIネイティブの、
それぞれに合ったマネジメント・スタイルを使い分け、人間とAIが共働できる環境を作り上げることが、今後の管理職に求められることになります。
まとめ
最初この本のタイトルを見たときはドキっとして、でも逃げていては始まらない思いで、手に取りました。
内容的には、最近よく言われているジョブ型雇用の話やAIの話など、一般的な内容が多いとは思います。
AIを擬人化して、自分の部下が人間とAIになる、と考え、その時のマネジメント・スタイルを考えている点については大変参考になる本だと思いました。
既に管理職になっている方、これから管理職になろうとしている方、どのような方であっても、時代の変化に合わせて自分自身を成長させる必要があると考えているとは思います。
成長させたいけど、どのように成長すれば良いのか分からないといったときには、本書に記載されているように、AI時代に向けた成長を目指してみるのも良いと思います。