今更かもしれませんが、終身雇用の時代は終わり、転職というものが良くも悪くも身近なものになっていると思います。
みなさまの中でも転職をしたことがある人、転職を考えたことがある人、大勢いると思います。
私も2度ほど転職を経験しておりますので、その経験も踏まえ、これからのエンジニアが転職にどのように向き合うのが良いのかを考えてみたいと思います。
ちなみに、私はフリーランスとして働いた経験があるわけではないので、あくまでも会社員として働くことが前提の考えとなります。
もくじ
エンジニアにとって転職は必要、有利なのか?
まず、エンジニアにとって転職は必要なのか?
この問いに対しては、一言でいうのであればNoだと思います。
もちろんブラック企業と呼ばれるような環境で働いている方は、すぐにでも転職を検討し、自身を守ることを考えた方が良いとは思います。
しかし、売り手市場である今の世の中の流れで転職、という観点では絶対に必要なものとは思いませんし、有利になるとも思いません。
それでは、よくある転職を考えるきっかけとなる、
転職すれば年収は上がるのか?
やりがいを求めるためには転職なのか?
の2点から考えてみます。
エンジニアは転職すれば年収が上がるのか?
現在、エンジニアの人材不足で売り手市場であることから、転職することで目先の年収は上がる可能性はあると思います。
特に、若手のエンジニアにとってはチャンスが広がっているように見えると思います。
でも、少し考えてみてください。
大学を卒業して初めて社会人になるとき、どのような世界なのか分からず不安でいっぱいであったと思いますが、その不安を再度味合うことになります。
社内の雰囲気など、昔よりはSNS等で転職先の情報を集めることはできますが、やはり表面的なものが多いです。
実際その会社に入ってみなければ分からないことは多くあります。
そのような不安や失敗する可能性を踏まえると、多少の年収アップでバランスがとれますでしょうか。
また、もう少し先の事を考えてみます。
エンジニアが生涯で年収を上げていく方法としては、自身のスキルを磨き続けて業界的にも有名なエンジニアになるか、管理職として職位を上げていくかになります。
前者を目指す人は転職が手段として合う可能性があります。
自身のスキルに見合った年収を提示する会社で働くことで年収は上がると思います。
ただ、若いときは問題ないですが、自身が40代や50代になった時に、変化の早いエンジニアの世界で、その時代に合わせたスキルを身につけ続け、トップで居続けることは、本当に可能なのでしょうか。
もちろん出来る人もいますし、私もそうなりたいと思いますが、徐々に困難になってしまうことは仕方ないと思います。
そうなると、職位をあげていく後者になるのですが、こちらは転職が有利に働くことは少ないと感じております。
管理職に必要となる能力として、メンバーを把握しマネジメントすること、これが転職してしまうと一度リセットされてしまうからです。
将来も含めてトータルで年収、生涯年収を上げていくためには職位を上げていくことが重要だと思いますが、そこで一歩出遅れてしまうと思います。
よって、私としては、まずは職位を上げやすい現在の会社で、年収を上げていく良い方法はないのか、一度立ち止まって考えてみるのが良いと思っております。
もちろん、我慢し続けて体を壊してしまっては元も子もありませんので、無理は禁物です。
エンジニアのやりがいを求めるためには転職なのか?
ここまでは年収という観点で見てきましたが、年収のためにやりたくない仕事を我慢して、いまの会社に居続けることが良いことだとは思いません。
我慢し続けることで心身を壊したら元も子もない、ということから、今度は自分のやりたいことをやるための転職、という観点で考えてみたいと思います。
こちらに関して、
「いまの仕事にやりがいを感じない、○○にやりがいを感じる」
という明確な目標や目的があるのであれば、いまの職を変えるべきだと思います。
ここであえて、「転職」という単語を使わず「職を変える」という文言にしたのは理由があります。
職は変えるべきだと思いますが、転職が一番の解決になるかどうかは分からないからです。
これは私の最初の転職の時に、当時の上司から言われた言葉がいまでも心に残っているからになります。
当時、私も若かったですが、自分なりに考えて「自分のやりたいことをやるためには転職が必要」という思いで転職を決意しました。
その決意を当時の上司に説明し理解いただきましたが、
「やりたいことは理解した。しかし、部署を変えるなどにより、同じようなことできたかも知れない、ごめん」
と言われてはっとしました。
いまの会社の中で異動するのも、別の会社に転職するのも変わらない、と感じる人もいるかとは思いますが、人間関係など含めて考えると大きく異なると思います。
そのため、私は、やりたいことが異なるという理由での転職であれば、一度いまの会社で自分の理想に近づける方法を上司と相談するのが良いと思います。
そのうえで、なかなか異動が実現しない、異動してみたがやはり自分のやりたいこととは異なる、となってから転職しても遅くはないと思いますし、転職した後の失敗も少なくなると思います。
まとめ
転職、社会人人生の中でも大きなイベントで、非常に難しい決断の一つだと思います。
いまの会社で我慢を続けて、心身を壊してしまうことは一番ダメなことですので、自分の身はしっかり守ってほしいと思いますが、自分だけではなかなか最適な解を見つけるのも難しいと思います。
特にコロナ禍では、コミュニケーションがとりづらいかったこともありましたが、一人で考えず、相談できる人を見つけておいてほしいです。
そのうえで、転職すると決意した人、いまの会社で異動すると決意した人、いまの業務の中でやりがいを見つけようとした人、どのような決断をしたとしても、将来の自分のためになったと思える行動ができるようになれば嬉しく思います。
参考記事: