管理職の立候補制にみる、これからのキャリアプランの描き方を考える

先日以下のようなニュースがありました。

『損保ジャパンなどを傘下に持つSOMPOホールディングスは、2021年度からおよそ20の部長職について立候補制をとっているが、2022年4月からは、これをおよそ60の課長職にも拡大するという。』

なかなか思い切った人事制度だと思います。

ジョブ型雇用といった言葉も良く聞かれるようになっている中、これも一つのジョブ型と言えるのではないでしょうか。

メリット・デメリットはある気はしておりますが、現時点で私が思うメリット・デメリット、このような変化に対して、サラリーマン、特にエンジニアはどのようにキャリアプランを描いていけば良いのかについて整理してみたいと思います。

管理職が立候補制になることによるメリット・デメリット

管理職が立候補制になることのメリット

これまでは、エンジニアとしてまだまだ成長したいと思っていても、ある程度の年齢になると、管理職に指名される、ということがありました。

これは、もちろん会社から必要とされているから、と捉えることもできるとは思いますが、エンジニア個人としては、なかなかの葛藤が付きまといます。

一方で、エンジニアとしての能力は人並みでも、チームをけん引させるとピカイチという人がいるのも事実です。

このような人の場合、エンジニアとしての評価があまり高くならない傾向にあるため、管理職への出世のタイミングが遅れてしまう、といったことがあったと思います。

そこで、今回のように立候補制になれば、誰にでもチャンスが与えられるということになり、様々な形のチームを作っていくことができるようになると思います。

無理やり管理職をやらされている人より、前向きに管理職に取り組んでいる人の方が、部下からしても働きやすいのは当然かと思います。

この辺りがメリットになるのだと思います。

管理職が立候補制になることのデメリット

一方で、やはりデメリットもあるとは思います。

デメリットというかこの制度を上手く回すための難しい部分、ということかも知れませんが、この立候補者の中から、

誰が
どのような基準で
誰を選ぶのか

といった明確な指針が合わせてなければ、声が大きい人だけが管理職になる、という状況になってしまうと感じます。

声が大きい人、良い点もあるのですが、自身の意見を声高に言うだけという人も多いため、そのような人の場合、管理職としての適性としては疑問が残る場合があります。

管理職の責務は、

チームをまとめ
チームをけん引し
チームの成果を最大化する

ということになりますので、個人の成果だけではありません。

このような点は、立候補だけではうまく回らず、「なんであの人が」といった陰口をたたかれるような管理職が増えてしまうのではないでしょうか。

もちろん、そういったこともキチンと考えられて運用されているのだと思いますが、私個人としては、どのように運用すれば良いのか、まだその答えを見つけることはできておりません。

これは、ジョブ型雇用に対しても同様の意見となりますが、日本の良い文化とジョブ型の良い部分、これらを合わせる方策が無いものかと思う今日この頃です。

雇用制度の変化に対応するキャリアプランの描き方

少し前には、45歳定年制ということも話題になりましたが、いまの経済界では、多様な働き方を模索していると言えます。

これまでのような終身雇用・年功序列が崩壊しつつある状況において、良いか悪いかという話ではなく、この流れは止められないものであると思います。

それでは、そのような時代を生きる私たちエンジニアは、どのように考え、どのように自身のキャリアプランを描いていく必要があるのでしょうか。

私は、重要になるのは、

自己成長を止めない

ということが大事になるのかと考えております。

これまでは自己成長をしていなかった、という訳ではないですが、より自身の力が重要になってくるということになります。

管理職というジョブに応募する、ということになりますので、やはりジョブ型雇用に対する準備が必要になるのだと思います。

極端に言えば、

明日、今の会社が潰れたときに、あなたは別の会社で雇ってもらえる人材でしょうか?

この問いに答えることができるようにしておくことが大事になります。

そのためには、自身が管理職としてのキャリアプランを描いているのか、エンジニアであれば専門職としてのキャリアプランを描いているのか、まずはここをしっかり意識する必要があります。

それぞれのキャリアプランを描くことができれば、必要になってくるスキルも見えてくると思います。

キャリアプランを描くことが難しいから不安

という言葉が聞こえてきそうですが、それも仕方ない事だと思います。

そのような場合は、まずは自分が興味のある分野に沿ったスキルを身につけることから始めても良いと思いますし、それも分からなければ、どのようなプランを描いても必ず必要となるスキルである、

傾聴力
論理的思考なども含めた伝える力

といったことを磨き続けることが良いと思います。

これらの能力は管理職の能力や専門職の能力ということではなく、社会人として必須の能力であり、この能力があるかないかで大きく差が生まれる部分でもあります。

明確なキャリアプランが描けていない人は、ここから挑戦し続けてみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回、SOMPOホールディングスが発表した管理職の立候補制について、私個人的に非常にインパクトを受けましたので、いまの私の考えとともに整理させていただきました。

日本において、完全なジョブ型雇用に移行するとは思っていないですが、ジョブ型雇用の要素は徐々に濃くなってくることは間違いないと思います。

そのような時代を生きなければならない、いまの社会人・サラリーマンにとって、自身の成長が、どのような時代の変化にも対応できる能力となってくると思います。

1つ1つの変化に惑わされることなく、先を見据えて行動していくことが大事だと思います。

参考記事:

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