新年度が始まり3ヶ月が経とうとしておりますが、出世して上司という立場になり、初めて部下を持ち始めたという方もいらっしゃると思います。
これまでも、ダメな上司、できる上司について書いてきたこともありますが、今回はその中でも1つのポイント、
失敗を部下のせいするダメ上司
というテーマで書いていきたいと思います。
部下として働いていた時と、上司として働く時で大きく異なってくるポイントの1つだと思いますので、自分の言動を振り返りながら考えてみて欲しいです。
もくじ
失敗を部下のせいにするとはどういうことなのか
失敗を部下のせいにするとはどういうことでしょうか。
2つのケースを思い描いて欲しいです。
最初のケースです。
・お客様に提出する見積もりを作成していた部下が、上司のあなたに承認を求めます。
・あなたは、その見積もりに対して承認を出します。
・お客様に提出した後、見積もりの細かい部分にミスが見つかり、お客様からクレームをいただくことになる
いかがでしょうか。
ダメな上司として、この時の対応としては大きく2つあります。
・見積もりを作成していた部下に対して、「なぜ、こんなミスをしたんだ」と叱責する
・見積もり作成は無理だと諦めて、以降は見積もり作成をさせない
このように、部下個人のせいにしてしまいます。
でも、良く考えてみてください。
上司であるあなたは承認をしているのです。
たしかに、上司であるあなたは忙しく、隅から隅までチェックできないこともあるかも知れません。
それでも、承認しているのは上司であるのに、部下だけのせいにするのは、間違いだと言えます。
このケースは分かりやすいのですが、次のケースではいかがでしょうか。
・お客様に提出する見積もりを作成していた部下は、直接お客様に提出します。
・お客様に提出した後、見積もりの細かい部分にミスが見つかり、お客様からクレームをいただくことになる
この時に、部下だけのせいにしない事ができますでしょうか?
自分が見ていないのだから、自分に責任はないと考えてしまわないでしょうか?
確かに、ルールとして承認が必要であるのに、それをせずに提出したとしたら、部下にその責任はあるかもしれません。
しかし、そのようなルールはなかったとした場合、なぜ部下は上司の承認を得ようとしなかったのでしょうか。
上司に承認を取るまでもないと考えたかも知れませんし、上司が忙しそうで気を使ったのかも知れませんし、そもそも上司と話したくないと考えていたかも知れません。
このように、上司との関係性や雰囲気が原因である場合も多くあります。
それであれば、部下だけの責任にするのは少し違うと思わないでしょうか。
これらのように、部下の仕事で何かがあった時に、まず自分の行動を変えることで防ぐことが出来なかったのか、これを考えることができるかどうかが大きな差になってくると言えます。
このようなことが起こる理由について、次は考えてみたいと思います。
そもそも上司の仕事を理解していないことが原因
部下の仕事のミスを、部下の責任にする上司は、総じて上司である自身の仕事を理解していないと言えます。
上司の責任と言った方が良いかもしれません。
上司という立場になった以上、上司の仕事には、
組織としての判断をすること
組織としての責任をとること
が含まれ、その分の給料をもらっていることになります。
上司になる前は、自分の仕事に責任を持ち、自分の仕事に対して判断していれば良かったのですが、上司になると組織、つまりは部下の仕事に対しての責任、判断が求められるようになります。
この意識改革は簡単ではありません。
部下の仕事を事細かに把握することはできないですし、事細かに把握しようするとマイクロマネージメントになってしまいます。
ですので、上司は、部下から上がってくる情報、自分自身で集めた情報これらを総合して、大局的に判断することが求められます。
その判断時には、情報がすべて揃っていない場合も多くあります。
それでも、自分が判断することに責任を持ち、その失敗に対しては自分の責任だと考え改善していくことが大事になるのです。
もちろん、自分の言動だけを改善する、ということではありません。
部下から報告される情報の質が悪いのであれば、その質を高めるために、部下と一緒に改善していくのです。
このように考えるようにすることが、できる上司への一歩になると思います。
まとめ
私は、長年、部下を持ちながら仕事をさせていただいておりますが、最初の頃からうまくいったわけではありません。
自分で判断して責任をとる覚悟はありましたが、その分、不必要に部下の仕事に介入してしまったこともあります。
逆に、部下に任せる事だけを意識して、いわゆる放任になってしまったこともあります。
いまでも、このバランスの正解は分かりませんし、部下それぞれの個性、組織の雰囲気などによっても一律ではないかもしれません。
それでも、何かのミスがあった時は、部下の責任ではなく、上司である私の責任である、この考えは常に持ち仕事を続けています。
この積み重ねで信頼される上司へと近づいていけると信じて、これからも歩みを続けたいと思います。
参考記事: