同一労働同一賃金という言葉を聞いたこともあると思います。
各企業で働いておられる方は、これに注意して様々な、これまで意識していなかったことも意識し始めているのではないでしょうか。
当たり前のように感じる同一労働同一賃金という言葉ですが、あえてこの言葉が使われるということは、これまではそうではなかったことになります。
そこで今回は、
- そもそも同一労働同一賃金とは何なのかを復習
- 同一労働同一賃金が実現されることで展開される世界
- 同一労働同一賃金に不合理な部分はないのか
について考えてみたいと思います。
もくじ
同一労働同一賃金とは
まず、そもそも同一労働同一賃金とは、簡単におさらいしてみましょう。
同一労働同一賃金とは
同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。
同一企業内における正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消の取組を通じて、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できるようにします。
(引用:厚生労働省)
雇用形態によらず、同じ仕事をしている人には同じ賃金であるべきだ、ということになります。
このようなことを、あえて発信しているのは、これまでがそうではなかったということになります。
正社員と非正規雇用の人数については以下のような統計データがあります。
(引用: NHK|【あすから変わる】「同一労働同一賃金」 中小企業にも適用 )
2020年で2090万人の方が非正規雇用となっております。
これら多くの方たちの格差を是正することは非常に大事なことだと思います。
同一労働同一賃金による当たり前の世界
さて、同じ仕事をしている人には同じ賃金を支払う、当たり前のように感じます。
ただ、良く考えていて欲しいです。
・社歴に伴って給料があがるようなことはありませんでしょうか?
・正社員にはあるけど、非正規雇用にはない制度などはありませんでしょうか?
派遣社員を雇い、何年も同一の賃金で雇い続ける、このようなことは今でも多く残っていると思います。
1年目の派遣社員と、5年目の派遣社員、こなす仕事の量は明らかに違うのに、です。
このようなものが格差と呼ばれるのだと思います。
この話を聞くと思いだすのが、ジョブ型の働き方だと思います。
年齢は関係なく、ジョブ=仕事の成果に対して賃金が決まるというものです。
日本では、根強く年功序列の文化が残っていると感じますので、すごくギャップを感じてしまうのだと思います。
社歴=給料の図式があるため、どうしても転職に躊躇してしまう、それにより人材の流動性も下がり、生産性も低下してしまうのだと思います。
これらを無くすために、仕事(成果)を軸として考え賃金が決まる仕組み、これは今後当たり前の世界を作っていくのだと思います。
同一労働同一賃金に対する逆の不合理
さて、同一労働同一賃金に対して、基本的に賛成ではあるのですが、1点感想レベルのコメントがあるとすると、
そのような不合理な世界であることを理解し、少しでも自由な選択が出来るポジションをつかみ取るために、学生時代から頑張っていた方の努力は報われない?
ということです。
いまの時代から考えると、
時代が変わろうとしている過渡期であること
これからの時代はいまの成果がいまの賃金を決める時代であること
これは理解しておりますし、そのような時代でも活躍できる人材で居続ける努力はするべきなのですが、少し疑問に思う部分でもあります。
社会人になってしばらく経つと、学歴が意味のないものであると感じると思います。
どのような学歴でも、仕事が出来る人はできますし、仕事ができない人はできないです。
確かに、ある程度の学歴がある人は、はじめから論理的に考える思考が身についているなど、立ち上がりが早いとも言えます。
ただし、私が常に意識しているスマートに仕事をするための能力は、社会人になってから身につけたものばかりです。
周りにいる仕事が出来る人の学歴を気にしたこともありません。
学歴が使えるのは新卒入社のタイミングくらいなのですが、それでも、その時により有利な条件を得るための武器を磨いてきた努力はたたえられても良いのではないでしょうか。
まとめ
今回は同一労働同一賃金について考えてみました。
最後は、世間であまりコメントされていないと感じる不合理についてもコメントしてみましたが、基本的には、
能力が賃金を決める
賃金を得るために能力を磨く
このシンプルな世界は魅力的に感じています。
これから社会人になろうとしている方や、まだ社会人になったばかりの方にとって、これからの時代はとてもシンプルで、自身のキャリアを考えやすくなっているのではないでしょうか。
昔のように、良い会社に入ってしまえば、大した仕事をしなくても出世し給料が上がっていく時代ではありません。
その時代をうらやむ気持ちもあるかも知れませんが、能力を磨きさえすれば、何度でも挑戦できる時代だと思いますので、生き生きと生活していけるのではないでしょうか。
私もまだ社会人生活は続きますので、これからの時代に自分を合わせていきたいと感じます。
参考記事: