米企業クラウド「難解で手に負えず」、ペイペイも楽天も神戸市も…設定ミスで情報流出か
先日このようなニュースがありました。
非常に怖いとも思いましたが、このニュースのタイトルのようにクラウドという単語で話すのも違うのかなと思いました。
今回は、クラウドを利用していることが怖いことなのか、いまの時代のエンジニアは何をしなければならないかと考えてみたいと思います。
もくじ
もちろん情報流出は許されないこと
情報流出が許されないこと、情報流出しないように管理すること、というのは当たり前のことであり、非常に重要な企業の責任だと思います。
もし情報流出のような状態になっていたとしたら、きちんと対策なり再発防止に努める必要があります。
しかし、この記事を読むとクラウドを利用することが悪のようにも読めてしまいます。
本当にそうでしょうか?
私はそうではないと思います。
クラウドも、これまでも私たちが利用してきたITツールの1つと変わりはありません。使う側の問題が大きいと思っております。
クラウド利用は怖いもので、使わない方が良いのか
記事にはこう記載されています。
「サービスの設定が複雑で、正しく対応するのは難しい」
クラウド関係ありますでしょうか?
確かに、これまでオンプレミスで構築してきたシステム運用と、SaaSなどに代表されるクラウドの運用は根本から異なるものかも知れません。
しかし、自社で利用しているシステムを理解して、それを適切に管理しながら活用する、という点ではどちらでも同じことが言えると思います。
昔からよく感じていることとして、
- システムに合わせて柔軟にやり方とアジャストする世界の人たち
- 自分たちのこれまでのやり方にシステムをアジャストしようとする日本人
ということがあります。
長くIT業界にいらっしゃる方は良くご存じかと思いますが、過去にもERPやCRMなどが出始めたころにもよく言われていたかと思います。
海外では、システム導入で効率化がはかられ、大幅なコスト削減ができ、2年で初期投資をペイできたと言われるシステムがあったとします。
そのシステムを日本に導入しても、そもそも最初の開発費用が膨らみ、コスト削減も思ったほどではなく、失敗プロジェクトとなったという事例がたくさんありました。
すごく残念なことだと思います。
システムの良しあしを事前に調査して判断することは重要ですが、それよりも重要なことは、システムを使いこなすことだと思います。
確かに、これまでのやり方を変えることは勇気のいることだと思います。
時には自分の仕事がなくなってしまう危険性もあるかと思います。それでも、柔軟に自分のスタイルを調整していける人には必ず仕事があります。
そういったエンジニアであり続ける必要があると感じます。
クラウド全盛の時代で生き残るエンジニアになるために必要なこと
少し話がそれてしまいましたが、クラウドを利用するために600ページ以上の説明書が大変という記載もありますが、これまでのオンプレミスのシステムにも、それ以上の説明書があるはずです。
どちらかというと、これまではシステム会社に運用を丸投げしており説明書を読む必要がなかった、というだけだと感じます。
それが、クラウドなどはユーザが直接利用するようなケースも多くあり、自身で説明書を読む必要が出てきます。
海外のように自身で説明書を読み、自身で運用管理していけるような体質ではない日本の企業においては、クラウドだから外部を頼らない、という楽観的な考えではなく、外部もうまく使いつつ、クラウドの利点を最大限活用していくという形が求められると思います。
そのようなときに、私たちエンジニアとしても、ユーザのニーズに対応するために、クラウド含めて、様々な技術の勘所をつかみ、適切なシステムを提案・構築していけるだけのスキルが必要になってくると思います。
私もIaaSやSaaSを利用したシステム構築などの経験はありますが、SaaSをユーザ企業に合わせて構築(設定)するという経験は少なく、使う側の域を出ていないかも知れません。
今後はそういったことにも対応できるようなエンジニアになっていく必要があると感じております。
以前のように、サーバの勉強をするためにサーバを購入するといったことは、ほとんどの個人ではできない事でしたが、クラウドを勉強するためにクラウドを契約する、というのは個人でもできる範囲が大きいと思います。
エンジニアにとって自己投資は、未来の自分の価値を大きく上げる可能性を持つものですので、検討してみることをお勧めします。
まとめ
私は、クラウドなど新しい技術を活用していくことは大事なことだと考えておりますが、新しいからこそ未知なことがあり、その未知なものを拒絶して、進化できない環境にはしたくないと思っています。
技術が進歩する、それを活用する、そのためには、我々エンジニアも今の場所に安住することなく、常に進歩していく必要があるのだと強く感じた記事でした。
といいつつ、お金が潤沢にあるわけではありませんので、大手クラウド事業者の1年無料期間といったサービスを目いっぱい使わせていただきました。
1年あればかなりのことをできますので、興味のあるかたは一度トライしてみてはいかがでしょうか。
参考記事: